2014
Jun
21
『半値になっても儲かる「つみたて投資」』(星野泰平著)を再読しました(感想・レビュー)
このブログサイト(PC用)の右側で紹介している投資関連本(2014年6月現在)の中で、まだ言及したり書評を書いたりしていない最後の1冊がこれです。
だから、この『半値になっても儲かる「つみたて投資」』 も再読してみました。
この本は、積み立て投資における様々なパターンのシミュレーションを行い、「値下がり安心」効果や「リバウンド」効果、または「タイミング・フリー」効果など、積み立て投資の効果に様々な(庶民ウケしそうな)意味づけをしている本です。
だから、この『半値になっても儲かる「つみたて投資」』 も再読してみました。
この本は、積み立て投資における様々なパターンのシミュレーションを行い、「値下がり安心」効果や「リバウンド」効果、または「タイミング・フリー」効果など、積み立て投資の効果に様々な(庶民ウケしそうな)意味づけをしている本です。
◎積立投資と一括投資の特徴を徹底解説
人間の感情は必ずしも合理的ではないので、この本に書いてあるような事実の解釈方法を知っておくことは、投資によって資産形成を行おうと考えている人にとっては価値のあることだと思います。
「積み立て投資」と「一括投資」の違いについても、キチンと説明されています。
当然、すべてのパターンにおいて、積み立て投資が一括投資よりも有利だと主張しているわけではありません。
だだ、一括投資をしたあとに値下がりにビクビクしながら精神的にヤラれてしまうようなタイプの人間も少なからず存在するはずなので、「積み立て投資」の特徴をご存じないかたには一読の価値があるでしょう。
同時に、手元にまとまった資金があって長期間リスク資産に投資しておけるという条件つきで、合理性だけを重視すれば、一括投資の方が有利である可能性が高いことも、この本を読めば分かるはずです。
◎積立投資はタイミングよりも値動き過程
積み立て投資は、スタート時のリスク資産価格(タイミング)よりも、終わり(取り崩し)の時期や「それまでの値動き過程」が最終的な“成果”に大きな影響を及ぼす投資方法です。
しかし、長期間に及ぶリスク資産の値動きなんて予測不可能ですし、当然、コントロールすることもできません。
だから、それは考えるだけ時間の無駄なのです。
始めるタイミングに悩む必要がなく、大儲けは出来ないかわりに、大負けもしにくい投資スタイルなので、積み立て投資は精神的な負荷が比較的少ないものだといえるでしょう。
(毎月給与を受け取るサラリーマンが資産形成を図ろうとすると、現実的には、これしか方法がないのですが・・)
◎英語版には私のコメントも・・
そういえば、3年ほど前、著者の星野さんが英語版の類書(同書?)をアメリカで出版するとき、積み立て投資を実践している個人投資家として私もコメントを求められたことがあります。そのとき、日本語で星野さんに送ったコメントが、パソコンにデータとして残っていました。
・・・・・(当時の私のコメント)・・・・・
少ない金融資産でもそれが預貯金だけでは、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成などを目的に世界中の株式や債券の「つみたて投資」を実践している。
世界各地の景気や貨幣価値がいつどうなるのかを完璧に予測することは不可能だが、様々な局面に対応するであろう数種類の資産にコツコツと投資しながらバランスよく保有しておくことはできる。理論的には本業収入とのハイブリッド化にもなるはずだ。
やるべきことが多々あり、投資に時間を割けない私には、マーケットを注視し続けている暇はない。「つみたて投資」は有利でも不利でもないが、「自分だけは儲けてやろう!」と息巻いている世界中の投資家たちの中で、時間や頭をほとんど使わずして「少なくとも不利ではない」のだ。tsumitate上等!
虫とり小僧
・・・・・(ここまで)・・・・・
なにが「tsumitate上等!」だ!アホかい!!と、当時の自分にツッコミとともにボディーブローとニードロップと喰らわせたくなりますし、「息巻く」の使い方が日本語として適切ではないところが私の頭の悪さを物語っていますが、積み立て投資について本当に思っていることです。
(ちなみに英訳版で「tsumitate上等!」は、「Long Live Tsumitate!」になっていました。)
このブログの読者さんの多くにとっては、当たり前のことが書いてあるだけだとは思いますが、
「これから投資を始めようと思っていたり、すでに投資をしているけどリスク資産価格の値動きが気になって仕方ないよぉ」
というようなかたにオススメできる一冊だと、再読して思いました。

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