『しぶとい分散投資術 - 世界金融危機でわかった!』(田村正之著)を再読しました(感想・レビュー)

私がこのブログサイト(PC用)の右側で紹介している本(2013年9月現在)は、初心者でも読みやすいものという観点でチョイスしてあります。

そして、あまりにも内容のかぶる同じような本ばかりでは不親切かなぁ、などと思って、一応それぞれ特徴がバラけるようにしてあります。


1.投資理論の基礎を学ぶのに適している本
『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』

2.実際に投資をしてみるときに役立ちそうな本
『初心者は株を買うな!』

3.投資信託とは何なのかを解説している本
『一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門』

4.積立投資そのものを分析・解説している本
『半値になっても儲かる「つみたて投資」』

5.生命保険の販売現場のウラ話の本
『生命保険の罠』

(ここで使っている「投資」という言葉は、世間の多くのかたがイメージする個別株式投資のことではなく、実際に私が行っている国際分散投資のことです。)



◎手っ取り早く国際分散投資について学べる良本


当然、紹介する本として候補に挙げて検討したものは他にもあり、(私の頭の中で)様々な選考を経る過程で落選していった本は10冊以上あります。

その中でも、上記1~5すべての内容をほぼ網羅しており、最後まで候補に残った1冊が、日本経済新聞の記者でもある田村正之氏の『しぶとい分散投資術』です。

優れていないとか、読みにくい、という理由で外したわけではなく、サイトで紹介するなら、ある程度内容の特化している本にしようと、私が勝手に決めただけです。

つまり、『しぶとい分散投資術』は、分かりやすく網羅的に書かれているという普通ならプラス材料となる理由で、他の本との内容のかぶり具合の関係上、外れただけです(私ごときの零細個人ブログのチョイスから漏れたところで、痛くも痒くもないことは重々承知しています)。

裏を返せば、手っ取り早く網羅的に国際分散積立投資について学んでみようと思うのであれば、『しぶとい分散投資術』が最適な本だと私は思っているわけです。

そして最近、久しぶりに再読してみました。



◎リーマンショック後の暴落中に出版された本


再読するにあたって、まずはじめに最後のページを見て、この本が出版された時期を確認しました。

2009年2月24日となっていました。
なかなか味わい深い時期です。


前年の9月にリーマンショックがあり、暴落の続いてるさなかの出版だったのです。

いま振り返れば、2009年3月に大底を打ち、世界のマーケットは回復を始めることが分かっていますが、当時は、いつまで暗闇が続くか分からず、夜明けの見えないような状況でした。

書店には、「資本主義の終わり」だの「ドル崩壊」だの「日経平均3000円割れ」だのと、この世の終わりを煽るような本が平積みにされていました。

そして、多くの投資家がマーケットから撤退する中、それでもマーケットにとどまるインデックス投資家は、バカだのアホだの宗教だの思考停止だのと罵られ、嘲笑されていました。
私はまだブログを書いていませんでしたが、交流のあるブロガーさんたちは、意味不明な根拠で叩かれたり、逆恨みされたりで、ずいぶんと嫌な思いをされたそうです。

そんな時期に書かれた本だからなのか、「リスク資産暴落時の精神安定本」のような味が出ています。



◎金融資産1億円を達成したあのブロガーさんも登場


多くの分散投資本は、「うまく儲かった場合」のシミュレーションばかりですが、この本は、当時最新だった暴落時のデータを使って、「最悪の場合」を想定することのできる内容となっています。
1929年に株価が9割ほど暴落した場合なども例にとって、「分散投資の効果と限界」をデータに基づいて分析・解説してあります。


この本の中には、個人投資家でブロガーのybさんが、実際の含み損金額をも赤裸々に語りながら、自分の投資スタンスを説明するコラムなどもあります。

当時、大きな含み損を抱えていたybさんですが、コラムの中にあるような金額とスタンスで積立投資を今日まで続けていたとしたら(実際に続けているようです)、現在どの程度の含み益が出ているのかは、大体推測できます。

現時点の含み益だけを見ても、あまり意味はありませんが、リーマンショック時にも狼狽せずに、淡々と積立を続けてきただけで大きな含み益を抱えているという事実を、当時インデックス投資をさんざんバカにしてきた人たちは、今どう捉えるのだろうか、なーんて思ってしまいました。

(後日ybさんは金融資産1億円を達成します→「インデックス投資で1億円」の話・2014年9月13日の記事

データや内容を現在バージョンに改定して、再度出版したものを読んでみたいと思ってしまいます。
田村さん、期待してまっせ!



◎未読の方は必読です!


長くなってしまったので、本の内容にはあまり触れませんが、前半部分では、真面目に優しく「リスク」「リターン」「分散効果」「リバランス」「アセットアロケーション」「効率的フロンティア」などについて説明してあります。

そして、後半部分では、初心者には理解しづらいETFについても掘り下げた解説があり、為替を理解するためにとても重要な「購買力平価」についても触れています。

その他、個別株投資を行うための指標の意味やら、注目したい経済統計やら、米国の長短金利と景気の関係やら、生命保険についてやらと、細かく幅広く盛りだくさんです。

また、個別投資商品についても紹介があるのですが、現在では名称の変更があったり、もっと低コストの商品が出たりしている点には注意した方がよいかもしれません。


既読のかたも多いでしょうし、このブログの読者さんの多くにとっては、当たり前のことが書いてあるだけだとは思いますが、

「お金ことや分散投資について、網羅的かつ実践的に学びたい」

というようなかたにオススメできる一冊だと、再読して思いました。






※この本の「更新版」とも呼べるような田村氏の著作が2015年に出版されています。
→参考:『老後貧乏にならないためのお金の法則』(田村正之著)を読みました…「老後破産」しないための必読書!


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレなど

※小説も書いてます→『迫力』



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、資産の一部を世界中の株式や債券などの保有にあてています。

約12年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
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REUTERS・ロイター:2017年7月7日
BIG tomorrow:2017年7月号
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R25・東証マネ部!:2017年1月
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