リスク資産管理の優先順位変化【アセットアロケーションの決め方・その7】

前回の記事では、理想的なリスク資産の管理条件を思いつくままに列挙してみました。

しかし、当然のことながら、すべての理想を十分に満たすことはできず、自分なりに実践可能な最大公約数を見つける必要があります。

今回は、自分なりのリスク資産管理体制(アセットアロケーション?)確立に至る思考経過を、体験などを交えながら書いてみます。


1.手間をかけずにシンプルに管理したい
2.幅広く分散したい
3.低コストで投資したい
4.主力は株式にしたい
5.でも、多少はいじくる余地を持っていたい


現時点では、この5つの条件が、私がリスク資産管理に求める条件です(1~5の数字が小さいほど優先順位が高い)。



◎最初の頃はちょっと違いました


投資を始めたばかりの頃は、いまは最優先に考えている「1.手間をかけずにシンプルに管理したい」という項目はありませんでした(これは同時に「5.でも、多少はいじくる余地を持っていたい」もなかったということです)。

前回の記事でも触れましたが、投資を始めたばかりの頃は、リスク資産の管理に手間をかけることそのものがちょっと楽しかったからだと思います。

元本保証の預貯金しか知らなかった人間が、日々価格の変動するリスク資産を保有するのです。それは、身近なところにいる同い年の友人の多くはまだ知らない世界に足を踏み入れることでもあり、なかなか刺激的なことでした。

小学生の頃に初めてタバコを吸ったときのような、中校生の頃に初めて○○をしたときのような、高校生の頃に初めて○○をしたときのような、少し大人になったようなチョイ悪プレミアム感漂う自分に軽く酔ってしまう感覚とでもいうのでしょうか(○○に代入する言葉と文字数はご自由にどうぞ!)。



◎投資を始めたばかりの頃の私


そして、実際に投資を始めたばかりの頃は……

「株価や為替の短期的な値動きは予測不可能だ」と自分に言い聞かせていても、足りない頭でゴチャゴチャと考えて、ついつい余計なことをしていました。

・アナリストや証券会社のストラテジストのレポートを読んで、自分なりの戦略的なアセットアロケーションを計画してみる。

・上昇相場時に怪しげな陰謀論を目にして、近いうちに暴落するのではないかと恐れおののいて、たいしたアセットアロケーション乖離率でもないのにリバランスをしてみる。

・ちょっと株価が下がっただけで、「買い時だ!もう下がらないかもしれない!」などと思って、毎月の積立投資とは別に追加投資をしてみる。



また、投資を検討する段階では、「投資に生活の時間をとられたくない」という前提だったのに、いざ始めてみると、ずいぶんと無駄な時間をかけてしまいました。

・毎日、複数のネット証券に何度もログインとログアウトを繰り返す(そして、なぜか気持ちよくなる)。

・自分なりの売買ルールや投資スタンスを箇条書きにして作成し、毎日のようにバージョンアップさせ、何度もそれを読み返してみる(そして、なぜか気持ちよくなる)。

・基準価額の変動が気になって仕方ないので、21時前後に更新されるモーニングスターに登録したポートフォリオの基準価額を毎晩チェックして記録する。そして、その度に様々なスパン(日ごと・週ごと・月ごと・4半期ごとなど)の変動率をエクセルで計算してみる(そして、なぜか気持ちよくなる)。

・為替と世界の株式市場の値動きを24時間いつでもチェックできるようケータイサイト(当時まだスマホは存在せず)をブックマークして、チェックしまくる。

などなど、「ミスターマーケット」と呼ばれても仕方ないような状態の時期がありました。しかも、困ったことに当時はそれをすることがなんだか楽しかったのです。



◎ところが…


性格にもよるでしょうが、そのうち飽きてきます。

投資のパフォーマンスを、投資に費やした時間で割り算してみると、なるべく時間をかけない方が効率はいいことも身に染みてきます。

そして、時間をかけても投資のパフォーマンスは良くならないことにも気づいてきます。風見鶏的な投資判断は、むしろパフォーマンスを悪化させることが多いでしょう。

インデックス投資とは、そういうものです(参考記事→インデックス投資とは)。



◎バランスファンドのほったらかし投資家に負ける


決定的だったのは、バランスファンドの自動積立をしてほったらかしている複数の同僚(私が投資行為を啓蒙)が、最低コストの個別ファンド(国内外ETFを含む)を組み合わせてゴチャゴチャやっている自分よりもはるかに高パフォーマンスだったことです……インデックス投資に時間をかけることのアホらしさを痛感できました※1

もちろん、投資を始めた時期や、どの時点でのパフォーマンスを見るかによって色々な結果が出るので、一概には言えない問題ですが、あれは自分に体感的な気づきを与えてくる良い機会でした(頭では分かっていても、腹に落ちてこないことって、けっこうありますよね)。


んで……

ある時期までは、なによりも低コストで分散投資することをリスク資産管理の最優先事項としていたのですが、それよりも「手間をかけずにシンプルに投資する」ことを優先したいという気持ちが強くなりました。

低コストにこだわりすぎて、投資商品を次から次へと乗り換えたり、あまりにも効率フロンティアにこだわって情報をインプットしすぎて、コロコロとアセットアロケーションをいじったりしないようにしようと心に決めたのです。



◎投資に時間かけるのアホらしいよね


コストはとても大切ですが、投資にかける時間もコストであると言えなくもありません。

体感的に気づくのに少々時間がかかってしまいましたが、私にとって、投資なんざ、家族との時間を割いてまでするものではなかったのです。それに私には、投資とは別の本業があります。


また、証券会社や投資商品があまりにも多岐に渡っていると、管理も面倒だし、自分に万が一のことがあったときに遺族に迷惑をかけてしまうかもなぁ、なんてことも考えました。

そして、「1.手間をかけずにシンプルに管理したい」という項目がリスク資産管理の条件として加わり、やがて最優先事項への登りつめることになったのです。

(ぜんぜん話が先に進みませんね。次回の記事で一気にまとめることにします。)

つづく
「私のアセットアロケーション(リスク資産管理方法)【アセットアロケーションの決め方・その8】」



※1 ちなみにそのバランスファンドとは、セゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドです。
(参考記事→セゾン投信を投資初心者にオススメする理由


にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。

関連記事





プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
Facebook:Facebookページ

子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレなど

※小説も書いてます→『迫力』



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、資産の一部を世界中の株式や債券などの保有にあてています。

約12年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BIG tomorrow:2017年7月号
東証マネ部!・R25:2017年3月
R25・東証マネ部!:2017年1月
BIG tomorrow:2016年7月号
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイスポ!:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年8月30日号
日経ヴェリタス:2015年7月26日号
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

最近の人気記事ランキング

【第1位】
セゾン投信を投資初心者にオススメする理由


【第2位】
テレビ出演の影響


【第3位】
個人向け国債(変動10年)は最強の無リスク資産…メリット・デメリットを確認しておこう!


【第4位】
民間の保険はどの程度必要なのか、5つのポイントで検証(生命保険・医療保険・学資保険・火災保険など)


【第5位】
確定拠出年金ってなによ?…メリット・デメリット・注意点は?…企業型と個人型の違いやオススメの証券会社は?


【第6位】
私の武勇伝


【第7位】
持ち家か賃貸か…住宅について自分の考えを整理しておく


【第8位】
小説を書いてみました


【第9位】
賃貸契約更新時の値下げ交渉(更新料は支払わなくてもよい?)


【第10位】
関東近郊、宿泊してよかったオススメの天然温泉旅館5選


【第11位】
預金封鎖にはどのような対策をすればいいのか?


【第12位】
ローン返済と投資のどちらを優先すべきか…併用はありなの?


【第13位】
入院時の差額ベッド代は支払わなくてもよい?


【第14位】
投資信託や株式の元本割れ(含み損)が気になってモヤモヤしている人へ


【第15位】
なぜ投資をするのか


【第16位】
2016年12月末のアセットアロケーションとポートフォリオ(と今年下半期の投資と考察)


【第17位】
ドルコスト平均法は有利なの?不利なの?…積立投資と一括投資のメリットとデメリットの話


【第18位】
子供が友達のメガネを破壊…早速、個人賠償責任保険を請求してみた


【第19位】
インデックス投資を成功させるための3つのポイント


【第20位】
で、自分は現行NISAと積立NISAのどっちを利用するのかという話


全記事一覧

最新記事

広告

アクセスカウンター



当ブログ内検索

オススメのネット証券

SBI証券
管理人も利用中の最大手。
低コストの商品が豊富で、月々100円からの積み立て投資に対応。投信保有ポイントサービスも高還元。個人型確定拠出年金(イデコ)も充実!

楽天証券
管理人は個人型確定拠出年金用口座としてここを利用。
商品ラインナップやシステムはSBI証券に劣らない。キャッシュバックたっぷりの口座開設キャンペーン多し。
当ブログ内参考記事

セゾン投信
リスク資産をバランスファンド1本で管理したい人にオススメ。
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、月々5000円から投資でき、30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資して、世界経済の成長を享受できる。
当ブログ内参考記事

オススメの保険比較サイト

価格ドットコムで最安値圏を調べ、自分がどれだけぼったくられているのか確認してみることをお勧めします。
保険商品は、自分に必要なものを最低限、なるべく低コストで選びたいものですね。
当ブログ内参考記事

読みやすくてオススメの本

老後貧乏にならないためのお金の法則 老後貧乏にならないためのお金の法則
資産運用から、住宅・保険・年金・相続・贈与までのすべてを網羅したマネー本です。
当ブログ内参考記事


貧乏人のデイトレ
金持ちのインベストメント
貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵
投資理論の基礎を学ぶのに適した本だと思います。
当ブログ内参考記事


一番やさしい! 一番くわしい!
はじめての「投資信託」入門
一番やさしい! 一番くわしい!<br />はじめての「投資信託」入門
投資信託とは何なのかをやさしく解説してくれる本です。
当ブログ内参考記事


半値になっても儲かる
「つみたて投資」
半値になっても儲かる「つみたて投資」
積立投資そのものを分析・解説している興味深い本です。
当ブログ内参考記事


ほったらかし投資術 ほったらかし投資術
投資を始める前の自分に1冊だけ読ますならコレにします。
当ブログ内参考記事


生命保険の罠 生命保険の罠 保険の営業が自社の保険に入らない、これだけの理由
生命保険の販売現場のウラ話が満載の強烈な一冊です。
当ブログ内参考記事

注意事項

当ブログでは個人的見解を述べているだけなので、他人の判断について責任は負えません。投資などを行う際は、あくまでも各自の責任においてお願いいたします。

また、リンクや引用なら問題ありませんが、ブログ記事の無許可・無断転載はご遠慮ください。私は著作権を放棄しておりません。






お返事できない場合もあります。また(ドコモ・auなどの)キャリアメールだと返信が届かないことがあります(参考解説記事)。
メッセージ内容はブログ記事に取り上げさせていただく場合があることもご了承ください。





にほんブログ村 その他生活ブログ 資産運用へ 
↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。
リンク先には人気の関連ブログがたくさんあります。